カジノ法案、決まった事まとめてみた。

2018年7月20日、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)実施法が衆議院本会議にて可決された。順調に進んだ場合、2020年代の半ばには、カジノの開業が行われるとされている。

カジノ法案では、具体的にどんな事が決まったのか?要点をまとめてみた。

1.全国3箇所まで設置可能

観光や地域の活性化に繋がるとして認められたカジノ法案だが、全国で3箇所までの設置を可能としている。最初にIRが認定されてから7年後に、設置箇所を増やすかどうか再考する規定も作られた。

2.日本人の入場料は、1日6000円

カジノ収入の30%は国や地方自治体の収入となるようだ。

3.マイナンバーカードを利用し、本人確認を行う。

現在あまり普及が進んでいない、マイナンバーカード(個人番号カード)の導入を行って本人確認を行う模様。

4.20歳未満、暴力団員は入れない。

入場可能な年齢を20歳基準にした他、当然のことながら暴力団関係者は入場不可となるようだ。

また、事業者、関係者の中にも反社会的勢力が入り込まないようにするため、カジノ管理委員会が徹底的な調査を行う。

5.7日間で3回、28日間で10回までしか入場できない。

懸念されているギャンブル依存対策への取り組みとして、およそ1ヶ月に10回までの入場制限を設けた模様。

要約すると、以上の内容が決まったようだ。

 

下記が、法案である。

特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律
        (平成二十八年法律第百十五号)

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の 基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設 置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設(別に法律で定めるところにより第十一条のカジノ管理委員会の許可を受けた民間事業 者により特定複合観光施設区域において設置され、及び運営されるものに限 る。以下同じ。)及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊 施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施 設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。

2 この法律において「特定複合観光施設区域」とは、特定複合観光施設を設 置することができる区域として、別に法律で定めるところにより地方公共団 体の申請に基づき国の認定を受けた区域をいう。

(基本理念)
第三条 特定複合観光施設区域の整備の推進は、地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振 興に寄与するとともに、適切な国の監視及び管理の下で運営される健全なカ ジノ施設の収益が社会に還元されることを基本として行われるものとする。

(国の責務)
第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、特定複合観光施設区域の整備を推進する責務を有する。

(法制上の措置等)
第五条 政府は、次章の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、このために必要な措置を講ずるものとする。この場合におい て、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途 として講じなければならない。

   第二章 特定複合観光施設区域の整備の推進に関し基本となる事項
    第一節 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本方針

(国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等)
第六条 政府は、特定複合観光施設区域が地域の特性を生かしつつ真に国際競争力の高い魅力ある観光地の形成の中核としての機能を備えたものとなるよ う、必要な措置を講ずるものとする。

(観光産業等の国際競争力の強化及び地域経済の振興)
第七条 政府は、特定複合観光施設区域の整備により我が国の観光産業等の国際競争力の強化及び就業機会の増大その他の地域における経済の活性化が図 られるよう、民間の資金、経営能力及び技術的能力の活用その他の必要な措置を講ずるものとする。

(地方公共団体の構想の尊重)
第八条 政府は、地方公共団体による特定複合観光施設区域の整備(特定複合観光施設の設置及び運営をする事業者の選定を含む。)に係る構想のうち優 れたものを、特定複合観光施設区域の整備の推進に反映するため必要な措置を講ずるものとする。

(カジノ施設関係者に対する規制)
第九条 カジノ施設の設置及び運営をしようとする者(当該カジノ施設の設置及び運営に係る事業に従事しようとする者を含む。)、カジノ関連機器の製 造、輸入又は販売をしようとする者並びにカジノ施設において入場者に対す る役務の提供を行おうとする者(以下「カジノ施設関係者」という。)は、 別に法律で定めるところにより、第十一条のカジノ管理委員会の行う規制に 従わなければならない。

(カジノ施設の設置及び運営に関する規制)
第十条 政府は、カジノ施設の設置及び運営に関し、カジノ施設における不正行為の防止並びにカジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切 に行う観点から、次に掲げる事項について必要な措置を講ずるものとする。

一 カジノ施設において行われるゲームの公正性の確保のために必要な基準 に関する事項

二 カジノ施設において用いられるチップその他の金銭の代替物の適正な利 用に関する事項

三 カジノ施設関係者及びカジノ施設の入場者から暴力団員その他カジノ施 設に対する関与が不適当な者を排除するために必要な規制に関する事項

四 犯罪の発生の予防及び通報のためのカジノ施設の設置及び運営をする者 による監視及び防犯に係る設備、組織その他の体制の整備に関する事項

五 風俗環境の保持等のために必要な規制に関する事項
六 広告及び宣伝の規制に関する事項
七 青少年の保護のために必要な知識の普及その他の青少年の健全育成のために必要な措置に関する事項
八 カジノ施設の入場者がカジノ施設を利用したことに伴いギャンブル依存症等の悪影響を受けることを防止するために必要な措置に関する事項

2 政府は、前項に定めるもののほか、外国人旅客以外の者に係るカジノ施設 の利用による悪影響を防止する観点から、カジノ施設に入場することができ る者の範囲の設定その他のカジノ施設への入場に関し必要な措置を講ずるものとする。

第二節 カジノ管理委員会の基本的な性格及び任務

第十一条 カジノ管理委員会は、別に法律で定めるところにより、内閣府に外 局として置かれるものとし、カジノ施設の設置及び運営に関する秩序の維持 及び安全の確保を図るため、カジノ施設関係者に対する規制を行うものとす る。

第三節 納付金等

(納付金)
第十二条 国及び地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、カジノ施設の設置及び運営をする者から納付金を徴収することができるものとする。

(入場料)
第十三条 国及び地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、カジノ施設の入場者から入場料を徴収することができるものとする。

第三章 特定複合観光施設区域整備推進本部

(設置)
第十四条 特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うため、内閣に、特定複合観光施設区域整備推進本部(以下「本部」という。) を置く。

(所掌事務等)

第十五条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。

一 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する総合調整に関すること。

二 特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うために必要な法律案及び政令案の立案に関すること。

三 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する関係機関及び関係団体との連絡調整に関すること。2 本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。

(組織)
第十六条 本部は、特定複合観光施設区域整備推進本部長、特定複合観光施設区域整備推進副本部長及び特定複合観光施設区域整備推進本部員をもって組 織する。

(特定複合観光施設区域整備推進本部長)
第十七条 本部の長は、特定複合観光施設区域整備推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって充てる。 2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。

(特定複合観光施設区域整備推進副本部長)
第十八条 本部に、特定複合観光施設区域整備推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充てる。 2 副本部長は、本部長の職務を助ける。

(特定複合観光施設区域整備推進本部員)
第十九条 本部に、特定複合観光施設区域整備推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。 2 本部員は、本部長及び副本部長以外の全ての国務大臣をもって充てる。

(資料の提出その他の協力)
第二十条 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、地方公共団体、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十 一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)及び地 方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条 第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)の長並びに特殊法人(法律に より直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設 立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条 第一項第九号の規定の適用を受けるものをいう。)の代表者に対して、資料 の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。

2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前 項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

(特定複合観光施設区域整備推進会議)
第二十一条 本部に、特定複合観光施設区域整備推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
2 推進会議は、学識経験を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する委員二十人以内で組織する。
3 推進会議は、特定複合観光施設区域の整備の推進のために講ぜられる施策に係る重要事項について調査審議し、本部長に意見を述べるものとする。 4 推進会議は、前項の規定により意見を述べたときは、遅滞なく、その内容を公表しなければならない。
5 本部長は、第三項の規定による意見に基づき措置を講じたときは、その旨を推進会議に通知しなければならない。

(事務局)

第二十二条 本部の事務を処理させるため、本部に、事務局を置く。 2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。 3 事務局長は、本部長の命を受けて、局務を掌理する。

(政令への委任)
第二十三条 この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。

附則 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三章の規定は、公布の日 から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(見直し)
2 この法律の規定及び第五条の規定に基づく措置については、この法律の施行後五年以内を目途として、必要な見直しが行われるべきものとする。

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